十三期生 / 杉原昂紀 / 畑玲音 / 研究活動
Posted on 2024-01-19
HCGシンポジウムで発表しました(M1杉原)
みなさんこんにちは.松下研究室M1の杉原です.
この度,2023年12月10日(月)〜12月13日(水)に北九州で開催されたHCGシンポジウム2023に参加しました.
HCGシンポジウム2023:https://www.hcg-ieice.org/hcg-symposium/2023/
発表内容
タイトル:話題の因果関係の視覚化によるニュース記事群の経時的変化の理解支援著者:⚪︎杉原昂紀,畑玲音,松下光範
概要:長期間報道されているニュースは時間と共に複数の話題が組み合わさりながら変化するため,ニュースを途中から閲覧するユーザはそのニュースについて理解することが困難である.
ニュースの全貌を理解するには話題の変遷を把握することが望ましいが,
大量の記事から必要な情報を選ぶのはコストがかかるため,話題の変遷を直観的に理解する支援が求められる.
この問題を解決するため,本研究では話題間の因果関係に着目した可視化手法を提案する.
提案手法では,ニュースをクラスタリングし,因果関係を基にした話題間の関係性を可視化することでニュースの理解支援を行う.
提案手法を使ったユーザ実験の結果,因果関係と時系列の可視化はユーザのニュース理解に一定の効果があることが示唆された.
ニュースとは分かりにくいものです.なぜでしょう.注目されるニュースは長期化しやすく,時間と共に複数の話題が組み合わさりながら変化します.例えば,小麦の高騰にはロシアの輸出制限やアメリカの金利差などが背後にあります.さらにロシアの輸出制限はEUからの経済制裁が,アメリカの金利差はアメリカの利上げや日本が利上げしなかったことが背後にあります.この背後にあるニュースを理解していなければ,ニュースの理解は難しいのです. これに対し石井らはニュースの理解には因果関係の提示が有効とし,複数のニュース記事から因果関係を抽出し,それらを結合して因果関係ネットワークを構築しました.しかし,この研究では記事と記事の因果関係を提示していて,長期間報道されるニュースを対象にすると提示される記事数と記事間の因果関係が膨大になる問題があり, 記事を意味的に集約した話題と,話題間の関係性を提示する必要があると考えられます.
以上より,本研究の目標を,長期間報道された一連のニュースを話題に分類し,因果関係を提示することで ユーザの理解促進を目指すこととしました. 作成したシステムはこのようになっています. クラスタリングによって得られた話題が月ごとに並んでいて,話題の中には特徴語が,各矢印が因果関係を表しているシステムです.
今後は因果関係の推定手法の改善とともに,他の関係性の提示など,システムがよりユーザの理解支援を支援できるように改良を重ねていく方針です.
発表資料:
KokiSugihara_HCG2023_A method for visualizing causal relationships between topics\\ in news articles to grasp their changes over time from Matsushita Laboratory
論文情報:杉原 昂紀, 畑 玲音, 松下 光範. 話題の因果関係の視覚化によるニュース記事群の経時的変化の理解支援, 電子情報通信学会HCGシンポジウム2023論文集, No.B-4-1, 2023.
感想
初めての発表となりました.13期の中では一番のあがり症である私は,口頭発表の直前までせわしなく歩き回っていました. いざ発表が始まっても,その緊張がほぐれるわけではなかったのですが,自分の中ではそれほど悪くない発表ができたのではないかな,と自負しています. その後のポスター発表は,緊張することもなく発表することができ,研究者様や企業の方々から様々な意見を頂き,いい時間を過ごすことができました. このような経験をさせていただいた担当教員の松下光範先生,そして共著者として支援していただいた畑玲音氏に感謝いたします.Related Posts