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Posted on 2026-02-28
第16回仕掛学研究会で発表しました(B4鵜飼・川端)
こんにちは!B4の鵜飼凜と川端美由樹です. 2026年2月15日(日)にDAICEL STUDIO(大阪大学サイエンス・コモンズ スタジオA)で開催された第16回仕掛学研究会で発表しました!
発表内容
タイトル:雰囲気キーワードによる情報の抽象化が旅行者の探索行動に与える影響 著者:○鵜飼凜,松下光範 概要: 旅行前にSNS等を利用して,旅行先の情報を調査する人は多い .しかし,SNS上の詳細な情報は他人の評価を正解として捉えさせてしまう問題があり,旅行体験が現地で情報を確認するだけの作業になる懸念がある .そこで本研究では,目的地の詳細を明確にする具体的なスポット情報ではなく,観光地に対する想像の余地を残すための最小限の手がかりとして「雰囲気キーワード」を提案した .事前の下調べを行わずにキーワードのみを頼りとする実証実験の結果,雰囲気キーワードによって,実験参加者の観光地に対する「観察・発見・解釈」という主体的な探索行為が誘発されることを確認した .
みなさんは旅行に行く前,SNSで入念に下調べをしませんか?
例えば,旅行に行きたいと思った時,皆さんはまずSNSの画像や口コミといった情報を見てから旅行の計画を立てるのではないでしょうか.
でもそこで,「評価が高いところ」ばかりを選んで旅行をしていませんか?
これが行き過ぎると,「評価が高いから行きたい」というように,他人の評価しか見ていないような旅行になってしまう可能性があります.SNSばかりを参考にしていると,「みんなが良いと言っているもの」が正解になり,現地で自分自身が何かを発見する楽しさが軽く扱われてしまう懸念があります.
そこで,他人の評価に惑わされず,旅行中の発見を楽しむための「仕掛け」として,観光地の印象や特徴を文字だけで伝える『雰囲気キーワード』を使った旅行を考えました.
この旅行の特徴は,「事前に下調べをせず,旅行先で初めて雰囲気キーワードを見て,行き先を決める」という点にあります.具体的なスポット名や詳細な写真はあえて見せず,想像の余地を残すことで旅行者自身の想像力をかき立て,自発的な興味を探索へとつなげることを目的としています.
ベルリンの壁という宮古島に関係ないようなキーワードが含まれていました.そこで,実験参加者は,「なんでベルリンの壁がキーワードにあるんだろう」と疑問を持って,それを発話していました.宮古島での実験:キーワードは「ベルリンの壁」?
今回,実際に雰囲気キーワードのみを頼りに「旅行」してもらう実証実験を沖縄県宮古島で行いました. その際,参加者に提示されたキーワードの一部がこちらです.
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ひまわり畑
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雪塩
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ベルリンの壁
宮古島への旅行なのに「ベルリンの壁」という,一見関係ないようなキーワードが含まれています. 実験参加者も案の定,「なんでベルリンの壁がキーワードにあるんだろう」と疑問を持ち,実際に発話していました.
実は,宮古島には「うえのドイツ文化村(通称:ドイツ村)」というテーマパークがあり,そこに本物のベルリンの壁が寄贈されているのです. 実験参加者は旅行中,たまたまドイツ村を通りかかった時に「ベルリンの壁」というキーワードが頭に残っていたことで,「ここがキーワードの場所かも!」といった発見をし,記念撮影をする行動が確認されました.
想像・観察・解釈が旅を面白くする
この実験から,雰囲気キーワードは実験参加者の「なんでだろう?」という「想像」をかき立て,現地の看板や景観への「観察」を強く促すことがわかりました.
その結果,参加者は現地情報からキーワードの対象を自ら発見し,「ベルリンの壁は,ドイツ村のことだったんだ!」という「解釈」を誘発していたのです.
雰囲気キーワードという仕掛けは,まさに「現地での自らの発見を促すこと」に貢献したと考えられます.
効率を求めるだけでなく,あえて「情報の隙間」から答えを探し出す,そんな余白のある旅のスタイルがもっと広まるような研究を,これからも続けていきたいです!
タイトル:鉄道沿線地域の印象形成を支援する情報提示手法の提案 著者:○川端美由樹,松下光範 概要: 鉄道移動において,車窓からの景観は沿線地域の印象形成に寄与する.しかし,車窓を みない乗客の増加や視界が遮られる区間の存在により,沿線地域との接触量は限られている.本研究 では,スマートフォン上で沿線地域のスポットを「仮想的な車窓」として提示し,地域特性を捉えた 沿線の印象形成を促す手法を提案する.実験の結果,提案手法が沿線地域の印象形成に影響を与える 可能性が示唆された.

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