十五期生 / 研究活動 / 野田樹希
Posted on 2026-06-28
第80回EC研究会 4研究会合同研究発表会で発表しました&受賞しました(M2 野田)
皆さん,こんにちは.W杯で寝不足なM2の野田です.
今回は2026年6月25日(木),26日(金)に,鹿児島県の屋久島にある屋久島環境文化村センターで開催された第80回EC研究会4研究会合同研究発表会にて,「プレー中の思考を外在化するための試合映像記録インタフェースの提案」というタイトルで発表をしましたのでその報告をさせていただきます.

発表内容
タイトル: プレー中の思考を外在化するための試合映像記録インタフェースの提案著者: ⚪︎野田樹希, 松下光範
解説:
みなさん,スポーツやってましたか?学生の頃,部活動や外部のスポーツチームに入ってたという人は多いんじゃないかと思います.私自身も,幼稚園から高校までサッカーをやってました.スポーツでは相手がいて,相手に勝つために,教室に集まって,自分または自チームの試合を見て振り返ったり,敵の試合やプロの試合を視聴して動きを学んだり分析をするためのミーティングが行われることがあります.特に,チームスポーツでは,チームメイトとの共通認識を形成するために,試合映像を見ながら議論し,認識を擦り合わせることが行われます.このような中で,同じ映像を見ているのに,人によって見ているところや考え方が違うといったことが当たり前に起こります.例えば,サッカーでボール保持者が味方選手にパスを出さなかった場面を振り返るとします.ある選手は「あの味方はフリーだったからパスを出すべきだった」と捉え,別の選手は「相手ディフェンダーがわざとフリーにさせていて,狙われてたからパスしなくて正解だった」と捉えるかもしれません.このように,同じ映像を見ていても,注意を向ける対象や状況の解釈は人によって異なります.これは,それぞれの選手がこれまでのプレー経験や知識を通して身に付けてきた判断基準が影響していると考えられます.言い換えれば,経験そのものは目に見えませんが,その経験は「何に気付き,どのように状況を解釈し,どのような判断を下すか」という知覚・認知・意思決定の過程に表れます.しかし,実際の試合映像では,このような知覚や認知の過程は十分に共有されません.映像から分かるのはプレーの結果であり,「そのとき何が見えていて,どのように状況を解釈していたのか」は本人の頭の中にあります.そのため,議論は「なぜそのプレーをしたのか」という結果の説明に終始しやすく,経験に基づく認識の違いまで踏み込めないことがあります.
そこで,本研究では,プレー中の思考を試合映像と対応付けてショート動画として記録・共有するための振り返りシステムを開発しました.本システムでは,「何が見えていたのか」「どのように考えたのか」「なぜその判断をしたのか」という思考過程を,知覚・認知・意思決定の段階に沿って外在化できるように設計しました.具体的には,単にコメントを入力するのではなく,ユーザが思考過程を一人称視点のアニメーションやセリフ,テロップとして段階的に構成するインタフェースを開発しました(下図).

これにより,試合映像だけでは分からなかった選手の思考過程を映像の時間軸と対応付けて記録できるようになります.今後は,作成したショート動画をチーム内で共有する仕組みを構築することで,「何が見えていたのか」「なぜその判断に至ったのか」といった認識の違いについて議論し,チームでのプレーに対する共通認識の形成や振り返りの支援を目指していきます.
発表資料
感想
今回で4回目の学会発表でした.一人で参加する学会は今回が初めてで,いろいろと不安もありましたが,(台風の影響で1日延長した以外は)大きなトラブルもなく,落ち着いて過ごすことができました.今回は4研究会合同での開催だったため,普段触れる機会の少ないさまざまな分野の発表を聞くことができ,非常に貴重な経験となりました.自分の発表を終えた後は,「もっとこう答えれば良かった」「こういう説明の仕方もあったな」と反省点も多く見つかりました.その分,今後の課題も明確になったので,今回の経験を糧に,これからも積極的に学会発表へ挑戦していきたいと思います!また,屋久島は自然がとても豊かで,島の方々も穏やかで温かく,食べ物もとても美味しかったです.特に飛魚はクセがなく,あっさりとしていて印象に残りました.今回の滞在を通して,今度はプライベートでもゆっくり屋久島を訪れてみたいと思いました!


追記
本研究を評価していただき,研究奨励賞金賞に選出していただきました.
前回は銀賞だったので,自身の成長を感じました一方で,今回の論文や発表ではまだまだ詰めが甘いなと痛感しましたので,より一層研究活動に励み,成長していきたいと思います!
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