十三期生 / 研究活動 / 藤川雄翔

Posted on 2023-09-28
KES2023で発表しました(M1藤川)


皆さん,こんにちは!M1の藤川です.2023年9月6日(水)〜8日(金)に,アテネ(ギリシャ)で開催されました The 27th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems (KES 2023) に参加いたしました.
 私はそこで,「Estimating Story-events of Comics Based on Characteristic Words」というタイトルで発表致しました.今回発表した内容はこちらの研究を整理し,英語化したものになりますので,こちらもご覧ください.

発表内容

Title: Estimating Story-events of Comics Based on Characteristic Words

Author: ⚪︎Taketo Fujikawa, Mitsunori Matsushita

 私たちの身の回りには小説や漫画,アニメなどさまざまな物語コンテンツがあります.現在,それらの物語コンテンツはアクションやスポーツ,ミステリーなどの典型的なジャンルによって分類され,検索等に用いられています.しかし,同一ジャンルに分類された作品同士だからといって,ストーリー構成までが同じであるとは限りません.
 例えば,恋愛ジャンルだと,キャラクターがストーリーのどのタイミング(序盤? 中盤? 終盤?)で恋人同士になるのかはストーリー構成に影響を与えます.(ちなみに僕は欲張りなので,両片想いのもどかしい期間も,恋人になってからいちゃいちゃしてる期間も味わえる,中盤くらいで恋人同士になるストーリーが好きです.)つまり,現状のジャンルによる物語コンテンツの分類では残念ながら粗い分類になってしまいます.

 ストーリーはキャラクターの行動とその行動の結果の連続によって構成されます.したがって,ストーリー構成をコンピュータに理解させるためには,ストーリー中で何がいつ起こったのかという情報が必要になります.ストーリー中で起こると考えられるものとして,キャラクターの(1)能力,(2)外見や心情,(3)関係性といったキャラクターに関する変化があります.こういった変化はストーリー中でイベントが発生することにより起こりやすくなります.
 本研究でいうイベントとは,ジャンルに特有であり,しばしば共通して発生する出来事のことを指します.例えば,アクションジャンルでは“戦闘”や“修行”があり,学園ジャンルでは入学式や文化祭といった“学校行事”やバレンタインやクリスマスといった“年中行事”などといったイベントがあります.

 本研究は,コンピュータによるストーリー構成の把握を容易化させるために,ストーリー中でどんなイベントがいつ発生したのかを推定することを目的としています.
 コンピュータにストーリー構成を把握させるためには,ストーリーに関する情報が必要になります.ストーリーに関する情報とは前述したキャラクターの(1)能力,(2)外見や心情,(3)関係性といったキャラクターについて変化があります.そのため,キャラクターの変化を抽出することは重要であり,その抽出のためには,キャラクターが変化する前と変化した後の情報が必要となります.したがって,キャラクターに関する変化の起点を探す必要があるのですが,その起点になりやすいのがイベントになります.

 イベントを推定するために本研究では,イベントが発生するとイベントに関連する語(以下,イベント特徴語と呼びます)が出現するという仮定をたてました.イベント特徴語とは例えば,学園ジャンルの体育祭では「リレー」や「借り物競走」,「騎馬戦」といった単語が,また夏祭りでは「花火」や「浴衣」,「下駄」といった単語になります.こういったイベント特徴語を手掛かりとしてイベントの推定を試みました.
 しかし,本研究が対象とするコミックはイラストとテキストの両方を用いて読者にストーリーを伝えるコンテンツになっています.つまり,イラストで情報を補完するためテキストから得られる情報が少なくなってしまいます,したがって,コミックからイベント特徴語を網羅的に収集するには多くの作品が必要となります. この漫画の1ページではセリフテキストは一切書かれていませんが,背景の絵にある屋台や提灯,金魚から夏祭りの1シーンであることがわかると思います.

 そこで,コミックと似たコンテンツであるライトノベルに着目しました.ライトノベルはコミックと同じようなジャンルで分類され,また人気作になるとコミカライズされるため,コミックに似ているコンテンツであると言えます.ライトノベルはテキストが中心となるコンテンツであるため.コミックよりもテキストから得られる情報が多くなることから,本研究ではイベント特徴語の収集にライトノベルを用いることにしました.
 
 本研究でイベントを推定する対象としたコミックのジャンルは「学園ジャンル」にしました.
その理由は
  1. 他ジャンルよりもイベントの種類が豊富で多くの作品で頻出している点
  2. イベントの判別が簡単につく点
の2点です.


 この図は本研究の大まかな流れになっています.まず,ライトノベルからイベントごとに名詞を抽出し,イベント特徴語を特定し,イベント特徴語辞書を作成します.セリフテキストを入力としてイベント特徴語辞書を参照し,イベントを推定します.詳しいイベントの推定手法とその推定結果は下記のスライド資料をご覧ください.



Slides:
TaketoFujikawa_KES2023 from Matsushita Laboratory

論文情報

Taketo Fujikawa, Mitsunori Matsushita. Estimating Story-events of Comics Based on Characteristic Words, Proc. 27th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems, 2023.

感想

 僕が大学院に入学して早々,英語で論文を書いて国際学会で発表をしに行くなんて,5年前の僕では微塵も考えていなかった,まさか!の経験を今回させていただきました!当たり前ですが発表も質疑応答も全て英語だったので,きちんと伝わるのか不安と緊張でいっぱいでしたが,自分が今できる精一杯のことを今回の学会ではぶつけてきました.ですが,質疑応答でうまく答えることができず悔しい思いをしてしまいました.この悔しい思いは悔しいままで終わらせずに卒業まで1年半あるので,もう一度以上万全の準備をして国際学会にリベンジします!

現地で買ったアテネTシャツで開催場所をアピールしてみたけど右手に隠れてイマイチわからなくなり,
よくわからないポーズをとる僕…
 僕が格好よく?ばっちりと決まって?発表してる写真は,今回は写真が事故りまくったのでありません.楽しみにしていた方には申し訳ありませんが,次回の僕の学会発表までお待ちください🙄.


 海外へ行くことは2度目だったのですが,日本にいるだけでは味わうことのできない多くの経験を今回の海外出張で味わうことができました.今回の海外出張はまさに“Extream”,“過酷”という言葉がお似合いの出張でした(笑).
具体的には,
    • 片道を1日以上かけてアテネに到着(飛行機の乗継時間が9時間越え)
    • ギリシャの9月はまだ降水量が少ないはずが,緊急速報が出るくらいのとんでもない大雨⛈️に遭遇!
      • 隙間時間にパルテノン神殿を見に行ったときに,持ってきた傘が風でひっくり返りみんなずぶ濡れ
    • 日本の飲食店とは勝手が違い,一皿の量が多いためお腹がすぐに膨れる
    • 帰りの便では,行きの便と同様に1日以上かけて帰国,プラス
      1. アテネ空港で3時間遅れる
      2. 香港に着いたのにイミグレーションチェックのため30分飛行機に閉じ込められ,乗継時間が1時間もなくなり香港国際空港をみんなで爆走!🏃🏻‍♀️🏃🏻🏃🏻‍♂️
      3. さらにさらに!関西国際空港に着いたのは21:30なので,みんなで終電との戦いが始まり帰国しても落ち着いていられる時間がない!
という空前絶後の,超絶怒涛の出張となりました!この過ごした1週間は,今までで生きてきた中で濃密で,楽しすぎる,忘れることない1週間でした!!
 また,海外の料理は口になかなか合わないとよく言われますが,ギリシャ料理はそんなことは全然なくどの食事も美味しくいただくことができました😋ギリシャにはジェラートのお店がたくさんあったので色々堪能しましたが,帰国してから「もっと食べてもよかったな」と少し後悔しました.



 最後になりますが,このような貴重な経験を積むことのできる機会を与えてくださり,また論文を提出するにあたり大変お世話になりました担当教員の松下光範先生に厚く感謝を申し上げます.ありがとうございました.

 今後も,引き続き自身の研究に精進いたします.
(文責:M1藤川)
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