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Posted on 2024-12-21
第20回WI2研究会で発表しました(M2畑)


みなさんおはようございます!
松下研究室M2の畑玲音です.
2024年12月1日(日)〜3日(火)に佐賀県唐津市の唐津商工会館で開催されました「ARG 第20回Webインテリジェンスとインタラクション研究会」で発表しました.

発表内容

タイトル:LLMとTRIZを組み合わせたアイデア発想支援による便利の副作用の顕在化

著者:○畑玲音,茂木奈々瀬,松下光範

突然ですが,ロボット掃除機を使ったことがありますか?床を綺麗にしてくれる便利な機械ですが,こんなエピソードを聞いたことはありますでしょうか.
ロボット掃除機がペットの糞を踏んで,それをそのまま家中に広げてしまった....
嘘みたいな話ですが,実際に多くの人が経験した話なんです.

アイデアの裏側に隠れた問題を見つけよう

ロボット掃除機が発売された当初,家中を自動で掃除してくれるなんて画期的だ!!と,誰もがその「便利さ」や「真新しさ」に注目したと思います.しかし,その裏でこうした「思わぬ問題💩」が潜んでいることに気付いたのは,発売されてから後のことでした.

現在のモデルでは,カメラがついており,障害物を検知して掃除するかしないか判断してくれるAIが搭載されていますが,それは初号機が発売されてから約17年ほど経ってからだったんです.

もしこの問題に,アイデアの発想段階で気づけていたらどうでしょうか?カメラやセンサーをつけてペットの糞や障害物を避けられる機能を最初から搭載できていた可能性があります.



問題の発見をサポートするシステム

まず,本研究で大切にしていることは問題を見つけるのは人間だということです.生成系のAIが発達してきて,「AIが勝手に画期的なアイデアをたくさん生み出す!!」というのも悪くはない気がしますが,私たちはそれに限界があると思っています.人が嬉しい,楽しい,面白い,と感じる奇想天外なアイデアを考えることは,やはり人にしかできないという考えです.

発生する問題というのも同じで,人がこれは嫌だなぁ,ちょっと不快,と感じる問題点は人が見つけるべきではないかという立ち位置を,この研究ではとっています.そこで,人間がより幅広い視点からアイデアを考え,問題点を見つけられるようにサポートする仕組みを作りました.その仕組みの鍵となるのが「TRIZ(トリーズ)」という発明のための理論です.

TRIZは,過去のたくさんの発明や特許を分析して,「Aを改善するとBが悪化する」といったトレードオフの問題を解決する方法を体系化したものです.これを使えば,「何を改善すればいいのか」「どんな困り事が起きるのか」を広い視点で考えることができるようになります.しかし,TRIZは専門的な知識が多く,使うには敷居が高い発想法なんですよね...

そこで,LLMとTRIZを組み合わせることにより,誰でも簡単にTRIZを使った発想が行えるようにするシステムを作成しました.このシステムは,1つの「思いつき」のアイデアを入力すると,システムとの対話が始まり,TRIZを基にして人の試行錯誤を助けてくれます.例えば,ロボット掃除機の例では,「ペットの糞が障害物になる」という視点を早い段階で示し,「カメラで障害物を検知する」という解決策を考えるヒントを提供してくれます.

発表資料

ReonHata_LLMとTRIZを組み合わせたアイデア発想による便利の副作用の顕在化_WI2 from Matsushita Laboratory





感想

今回の学会発表の感想を一言で言うと「準備不足」でした.こうすればよかったな,,と思うことが多々ありいい収穫がたくさんできたなと感じた遠征でした.すごいアットホーム感を味わえた学会でまた行きたいなぁと思っております.佐賀の観光情報として,朝早起きしてフェリーで行ける宝当神社というところに行ってきました.島民たちがとてもフレンドリーだったことと,島民の80%が「野崎」さんだったことと,金色のもの以外は売っていない島でしたが,宝くじの当たる確率が上がっている店(島民情報)で宝くじを買えたのですごい楽しかったです.

p.s.
佐賀遠すぎ.いい町だった.イカうまかった.
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