十四期生 / 研究活動 / 高橋りさ

Posted on 2024-10-08
KES2024で発表しました(M1高橋りさ)


みなさまお疲れ様です!M1の高橋りさです.
2024年9月11日(水)〜9月13日(金)に,スペインのセビリアにて開催されたKES2024にて発表しました.

発表内容

タイトル:Estimation of plates impression by restaurant information on the gourmet website
著者:○Risa Takahashi, China Takahashi, Mitsunori Matsushita (Kansai University, Japan)
 

器の見た目の印象

料理と器の関係性について,これまで様々な研究がされてきました.私はその中でも特に器の見た目審美的な側面からアプローチしています.器によって料理の見た目を引き立てるには,どんな器を盛り付ければ良いのでしょうか?私は,その食事を摂るコンテキスト,文脈に合った印象をもつ器を使用することが効果的なのではないかと考えました. 器の印象とは何でしょうか?例えば,全く同じナポリタンという料理でも,これら↓のように異なる器に盛り付けただけで,料理全体の印象が大きく異なると思います.

左の器は,黄味がかった色から,温かみのある落ち着いた印象があり,右の器は,青い色・角張った模様から,クールで現代的な印象があります.

例えば,落ち着いた雰囲気のカフェで食事をとるというコンテキストの場合,右の器も素敵ですが,落ち着いた印象を与える左の器の方がお店の雰囲気にマッチし,食事の魅力がより引き立つのではないでしょうか.


他にも
・「友達を招いてカジュアルなパーティをする」というコンテキストでは「カジュアルな器」
・「恋人と記念日のディナーを食べる」というコンテキストでは「高級感のある器」
というように,食事のコンテキストを軸とし,ふさわしい印象を持つ器を組み合わせることで,料理の見た目を引き立てることを目指しています.

 

どのように器の印象を明らかにする?

ここまで,食事のコンテキストと器の印象を一貫させるという方法で器選択を行いたい,と述べてきました.しかし「この器はクールな器だよ」といった風にあらかじめ器にその印象が書いてあるわけではありません.
一方,飲食店の内観の印象なら,グルメサイトの口コミに多数記載されています.たとえば,「落ち着いた雰囲気のカフェでした」「店内は高級感がありました」のような口コミです.
本研究では,お店の雰囲気に対する印象評価は,その店で使用される器にも該当するという仮定のもと,グルメサイトの口コミ上にあるお店の印象評価を,その店で使われている器に擬似的に付与することで,器と印象が紐づいたデータセットを作成しました.

このようにして,印象を統一することで料理の見栄えを良くしたり,器選びを楽しいものにしようとするのが,私の取り組んでいる研究です.
 

感想

この国際会議への参加を通して,日本での常識が国外で通用しないということを学びました.例えば,発表スライドの中で日本の料理を例として取り上げても,日本国外の人には恐らくピンと来ません.自分の常識の範囲ではなく,環境や文化の異なる多くの人にも分かりやすいよう考えを伝えるというのは難しいことですが,とても良い経験になりました.発表後の質疑応答の時間にいただいたご指摘を踏まえ,今後も研究活動に精進していきたいと思います!
また,この発表にあたって資料の添削や発表練習にご協力いただき,現地まで同行していただいた先生・先輩方に感謝を申し上げます.本当にありがとうございました.

"Sevilla"の文字が入ったとても可愛いお皿が買えました.愛用しています😌
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