十五期生 / 研究活動 / 野田樹希

Posted on 2024-11-26
第74回EC研究発表会で発表しました(B4野田)


皆さん,こんにちは.B4の野田です.
今回は2024年11月16日(土)に,サンポートホール高松で開催されました第74回EC研究発表会で「反省のタイプ分類に基づく試合の振り返りシステムのデザイン」というタイトルで発表致しましたのでその報告をさせていただきます.

発表内容

タイトル: 反省のタイプ分類に基づく試合の振り返りシステムのデザイン

著者: ⚪︎野田 樹希,畑 玲音,松下 光範

アブストラクト:スポーツにおいて,試合後の振り返りは選手のパフォーマンス向上において重要である.現状では,プレー動画を閲覧しながらの言語化やノートへの記入による反省が行われているが,明確な問題点の指摘や複雑な状況の整理は容易ではなく,選手の負担となっている.特に,チームスポーツでは展開に応じた位置取りや選手同士の連携などの考慮すべき項目が多いため,系統だった反省は容易ではない.そこで本研究では,振り返りプロセスを整理することで反省のタイプ分類を行い,それに基づいて選手が自らの反省点を言語化する際の支援を行うシステムの要件を整理する.


  皆さん,振り返りをしたことはありますか?勉強やスポーツ,ビジネスでも自分の行動を振り返って悪かったことを思い出して,次はどういう意識を持って改善するかを考えてパフォーマンスを上げるということをしたことがある人もいると思います.
僕も長年サッカーを続けてきて,監督に試合の振り返りノートの提出を求められたことがあります.でも,振り返りは上手くなるために必要だとは思っていても,動画を見返してプレーを分析して,反省を記入するというのがめんどくさかったので,ノートを適当に書いてました.
特に,僕のやっているサッカーでは,攻守の入れ替わりが激しく,他の選手がプレーに関わっているため,振り返りの際に考慮しなければいけない要素がおく,プレーの状況を正確に思い出し,分析することが難しくどう反省をすれば良いかを教えられてなかったので,雑に書いてました.
このように現状では,振り返りが選手の負担になってしまい,成長の機会が減ってしまう問題が発生します.
そこで僕の研究では,そういう人たちに向けて楽に振り返りができてかつ効果的な反省ができるシステムを提案します.
まずシステムの機能を考案するにあたって,振り返りがどういうプロセスで行われているかを整理しました.

                              このように振り返りは反省記入のための準備段階と実際に反省を記入する段階に分けることができます.
反省の記入を支援するために,記入の段階でなく準備の段階も支援することで,より振り返りを効果的にします.

まず,振り返りたい場面を分割して表示することで,後々反省を見返す負担の軽減を目指します.


次に,分割された場面内の選手を直接クリックすることでどういう状況だったかをスケッチできるようにして,簡易的なプレー状況の理解を促します.


これらのインタフェースを実装し,見返しの負担を軽減したり,状況の理解を支援することで,反省記入の補助を行います.
次に反省の記入を支援する機能を紹介します.ここでタイトルにも出てきた反省タイプが登場します.
どうやって反省記入をしやすくするかというと,反省記入フォームをテンプレ化することで,明確な指針をユーザに提供することで書きやすくかつ具体的な反省を書けるように促します.
実際の振り返りノートを見て分析した結果,反省の観点が偏ったものになる傾向があります.例えば,「サッカーで言うとドリブルが失敗した時の要因はドリブルの練習が足りていないから」というような文がよく見られました.
しかし,本当にドリブルの練習が足りないからドリブルでミスをするのでしょうか?この反省を広い視点で見た時に,そもそもドリブルをすべきかどうかの判断が悪かったりと他の要因が本質的な原因になっている可能性はないでしょうか?そういった漏れがある反省をしてしまう可能性があるので多角的な反省ができるように4つの反省タイプを定めました.
また,反省内容にブレがなく一貫した反省の記入ができるように反省項目を提示します.そして,それぞれの項目に反省タイプによって変化する質問文を生成することで,どう言ったことを記入すれば良いかや反省タイプに沿った記入を促すことで,反省の記入をしやすくします.


本研究では,これらのインタフェースをデザインし,楽で漏れのない反省ができるシステムを実装しました.今後は反省タイプをベースとした枠組みが反省内容を具体的なものにするかや4つの反省タイプが適しているかを検証します.

発表資料


   


   

論文情報

野田 樹希, 畑 玲音, 松下 光範. 反省のタイプ分類に基づく試合の振り返り支援システムのデザイン, 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC), Vol.2024-EC-74, Issue.7, pp.1-7, 2024.

感想

今回が初の学会で緊張しており,大学名で噛んだり,同じことを繰り返し言ってしまったりしましたが,会場の雰囲気が柔らかく,とても良い環境で発表させていただいたので,楽しく発表することができました! 他大学の方の研究もとても面白いもので充実した日になりました!
香川県の美味しいものも食べることができて,大満足です.特に海鮮料理と骨付鶏がとても美味しかったです!

香川の商店街でSANUKI X GAME2024というゲームのイベントがあったので,そちらも行ってきました!VRやレトロゲーム,ドローンサッカーなどの様々な種類のゲームをたくさんプレイできてとても楽しかったです!

また,今回の学会に申し込むまでは,研究の方向性が見えず難航していました.松下先生や畑先輩をはじめとした方々のおかげで今回の学会発表ができました.本当に感謝しています.








(文責:B4 野田)
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