十期生 / 研究活動

Posted on 2021-08-26
電子情報通信学会HCS研究会で発表しました.


M2の樋口友梨穂です.2021年8月21~22日に,オンライン開催されたヒューマンコミュニケーション基礎(HCS)研究会に参加し,下記の内容について口頭発表を行いました.

発表内容

タイトル:共感覚的比喩を用いた触感と表情の対応性に関する一検討  [LINK]
著者:樋口友梨穂,松下光範

概要

本研究は視覚情報を十分に得られないユーザに対して,触感を用いて人の表情を表現し,提示することを 目指す.提示のためには表情と触感の対応関係を明らかにすることが重要だが,対応関係に必要な要素は現在まで明らかになっていない.本稿ではこの要素として共感覚的比喩と呼ばれる,ある五感の表現を用いて他の五感を表現する言語に着目し,比喩表現を通じて表情と触感を間接的に対応づけることが可能か調査を行った.喜び,怒り,悲しみの表情と36の共感覚的比喩表現を用いて行った調査の結果,ポジティブな感情である喜びの表情とやわらかさに対応が見られ,ネガティブな感情である怒りおよび悲しみの表情とかたさ,マクロな粗さ感に対応が見られた.また,悲しみの表情にはしめりけとの対応が見られる可能性が示唆された.

感想

新型コロナウイルスの影響により研究会はオンラインでの開催となりました.昨年から引き続いての状況であるため,前回の学会発表と比較するとオンライン発表にも適応できていた気がします.触感と表情の対応に関するテーマを研究会で発表したのは初めてになりますが,仮説やそれにいたる考え方に興味を示していただけたり,最終的なユーザとして目指している目が不自由なユーザに近しい方から意見をいただけたり大変貴重な時間となりました.また,招待公演にて角先生がお話しされていた,システムを通じて知識を実世界空間に埋め込み,複数人で共有,活用するという取り組みは非常に興味深く,勉強になりました.

修士論文に向けて,今後も表情と触感の対応に関する研究を引き続き行なっていきたいと思います.

(文責: 10期 樋口 友梨穂)

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