七期生 / 研究活動

Posted on 2018-10-27
SUI2018で発表しました(北村茂生)


こんにちは,M2の北村です.

 

10月13日〜14日にドイツのベルリンで行われた,6th ACM Symposium on Spatial User Interaction (SUI2018)にてポスター発表してきました.

発表内容

看板は,店舗の種類を識別する手がかりの1つです.しかし,看板はその地域の言語で書かれていることが多く,外国人観光客にとっては看板から店舗の種類を判別することは容易ではありません.そういった問題を解決するために,スマートフォンのカメラを通して看板を見ると,店舗の名前や種類,営業時間などの情報が出てくるアプリケーションを開発しています.

そのために今回は,撮影した画像をサーバに送信し,サーバ上で画像処理を行って情報を返却するフレームワークを実装することによって,リアルタイムで看板を識別する手法を提案しています.

YOLOを用いて画像の中から看板領域を検出し,VGG16を用いて店鋪名でクラス分けすることによって,86%の精度で実世界において看板を認識することができました.

認識した看板をOpenStreetMapのデータと紐付けることによって,ベジタリアンなどの食事制限のある人に対応した店舗や,深夜に営業している店舗などをカメラを通して検索できるようになると考えています.

[論文情報]

Shigeo Kitamura, Kota Kita, and Mitsunori Matsushita. 2018. Real-Time Recognition of Signboards with Mobile Device using Deep Learning for Information Identification Support System. In Symposium on Spatial User Interaction (SUI ’18), October 13–14, 2018, Berlin, Germany. ACM, New York, NY, USA, 1 page.

気になった研究

Getting There are Beyond: Incidental Learning of Spatial Knowledge with Turn-by-Turn Directions and Location Updates in Navigation Interfaces (Sanorita Day, Karrie Karahalios, Wai-Tat Fu)

ナビゲーションに関する研究は数多く行われていますが,それらの多くはユーザが目的地にたどり着くことを目的としており,経路を空間的に把握することに焦点は当てられていません.この論文では,位置情報を用いた場合(地図ベース)とARを用いた場合(映像ベース)で空間と経路の認知度に関してユーザ実験を行っています.

実験の結果,地図ベースでは空間の認知度が高く,映像ベースでは経路の認知度が高くなることを示しています.

この論文で指摘されている通り,ナビゲーション系の研究はいかにユーザが目的地に辿り着き易くするかに重きを置いているものがほとんどであり,この研究からユーザがそのナビゲーションから学習するかという非常に興味深い知見を得られました.

[論文]

感想

本来は口頭発表で参加したかったのですが,論文の締切に間に合わずポスターでの発表となりました.英語でのポスター発表は2度目だったのと,SIGGRAPH 2018にStudent Volunteerとして参加したことによって英語力が鍛えられたこともあり,英語での質疑にはほとんど対応できたと思います.発表時間が30分と非常に短かったため,あまり議論は出来なかった感触でした.

また,発表を聞いてくれた参加者の方から,後日ドイツのレストランに行った時に営業時間外で店が開いておらず,あのシステムが欲しかったとの連絡を頂き,提案システムの有用性を実感できました.卒業までに1度英語で口頭発表をしたいと思います.

多くの人々が昼間からビールを飲んでおり,夜もビール瓶を片手に歩いている人を良く見かけました.ドイツ人は本当にビールが好きなことを実感しました.(学会2日目に写真のビールで体を壊しました.)

(文責:M2北村)

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